リスクを知ろう包茎が原因で起こる病気
繰り返しお伝えしてきた通り、仮性包茎は医学的には治療が必要のない疾患だとされています。
また「包茎によって引き起る」という表現は些かオーバーですが、他の病気の発病リスクには知っておいた方が良いでしょう。
当ページでは、包茎に起因しやすい病気についてご紹介したいと思います。
真性包茎について
真性包茎は包皮の入り口が狭く、完全に皮を剥けない状態を指します。
「包茎」という症状そのものが病気を引き起こす可能性は低いものの、包皮と亀頭との間に汚れや細菌が入ることによって別の症状を引き起こす可能性は十分に考えられます。
仮性包茎や嵌頓包茎と呼ばれる症状の場合、トラブルの基となる汚れ(恥垢)を洗い流すことができますが、真性包茎はこれを十分に行うことができません。
つまり、真性包茎はより病気のリスクが高い疾患であると言えます。
陰茎ガン・亀頭包皮炎のリスク
真性包茎は、前述した通り物理的な洗浄が難しく、恥垢や汚れ等によって陰茎ガンの発症(発がん)を促してしまうという考え方が一般的でした。
理由は陰茎ガン発症者の80%が包茎であったこと、幼少期に割礼を受けた人には発がんがほとんど見られないという点からです。
しかしながら、最近では陰茎ガンの発症はパピローマウイルスが原因によるものであり、真性包茎が必ずしも発がんを促すものでは無いとも言われています。
また、真性包茎は勃起状態だと包皮の入り口が突っ張ってしまうことが多く、肌にダメージを負いやすいと言えます(包皮が炎症を起こすことを「亀頭包皮炎」と呼びます)。
つまり真性包茎は、一概に発がん性が高まるとは言い切れないものの、炎症や細菌感染のリスクは高いと考えられます。
パートナーの病気リスク
「真性包茎_病気」等で検索をすると「不妊」「子宮頸がん」といったネガティブなワードが予測変換に並びます。
まず、包茎だからといってパートナーの病気リスクが直接上がるという訳ではありません。
しかしながら、真性包茎の場合は以下の間接的な要因によってパートナーの病気を引き起こす可能性を高めてしまいます。
例えば、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の存在です。
NEW ENGLAND JOURNAL「男性の包皮環状切除,陰茎ヒトパピローマウイルス感染と女性パートナーにおける子宮頸癌」によると、陰茎 HPV は包皮環状切除なしの男性 847 例中 166 例(19.6%)に対し、包皮環状切除の男性 292 例中 16 例(5.5%)で検出されたとあり、包茎がウイルスの保有率に大きく関係していることが分かります。
子宮頸がんはHPVの継続的な感染によって引き起こると言われておりますので、ウイルスの存在がパートナーの発病に関わる可能性は大いに考えられます。
ただし、これはあくまでも統計や状況に基づいたものであり、実際に子宮頸がんの発生増加を裏付けるような研究結果は今のところありません。
不妊に関係しているのか
結論から申し上げますと、包茎が原因で無精子症になるようなことはありません。
つまり、包茎と不妊に直接的な因果関係は無いと言ってよいでしょう。
ただし、包茎が原因で性に積極的になれない、膣内で上手く射精が出来ないといった「間接的な原因」となる可能性は十分に考えられます。
また、先述の通り真性包茎だとヒトパピローマウイルス(HPV)を保有しやすいという研究結果が出ています。
もちろん必ず包茎手術が必要と言うわけではありませんが、しっかりと対策しておくに越したことはないでしょう。
パートナーともよく相談した上で、包茎クリニックのカウンセリングを受けてみるのも一つの手ではないでしょうか。