見た目のトラブル事例ペリカン変形とツートンカラー
「包茎手術をして後悔している」
「後遺症に悩まされている」
「術後の症状なのか後遺症なのか判断できない」
といった声も一定数存在する包茎手術。
自信を手に入れるための包茎手術が、後遺症や機能トラブルを招いてしまっては本末転倒です。
包茎手術で起こり得る機能的なトラブル・後遺症、それらの判断基準、対処方法についてまとめましたので、是非ご一読ください。
ペリカン変形について
ペリカン変形とは包茎手術による後遺症の一つで、亀頭の小帯部分(所謂「裏スジ」)が腫れあがり、まるでペリカンの下あごのようになってしまった状態のことを指します。
包皮の切除を伴う包茎手術を選択した場合、当然ですが切除した箇所を専用の医療糸で縫合しなければなりません。
身体に傷が付くと、傷付いた皮膚や細胞を修復するために身体の様々な組織が活動します。
組織再生の際に排出される「リンパ液」「浸出液」は、死滅又は損傷した細胞を廃棄する・老廃物を運ぶ等の役割を担っており、役目を終えると老廃物とともに対外へと排出されるのが通常です。
しかし、水分が溜まりやすい形状(傷口がボコボコとしているなど)になってしまった・器官に何らかのトラブルが生じている等が原因で体内に留まってしまうことがあり、延いてはペリカン形状等を引き起こす可能性があるのです。
なお、ペリカン変形となるリスクについては、包茎手術の「術式」によっても異なります。
ペリカン変形となるメカニズムについてさらに詳しく見ていきましょう。
ペリカン変形の原因
ペリカン変形が起こり得る要因のひとつに「傷口が一直線の術式」が挙げられます。
例えばクランプ法の場合、予め決められたガイドに沿って包皮を切除するため、傷口が直線です。
そのため、傷口の治癒とともに小帯がたるんだ形状となり、延いてはたるんだ皮膚内にリンパ液が溜まる→ペリカン変形が起こる可能性が高まるという訳です。
もちろん、クランプ法だからといって必ずしもこのようなトラブルが起きるとは限りませんが、可能性の一つとして把握しておくとよいでしょう。
また、リンパ液が過剰に分泌されてしまい、一時的にペリカン変形となることがあります。
過剰分泌の要因としては、手術当日に激しい運動をしてしまい傷口が擦れてしまった、入浴によって患部に雑菌が入り込んでしまった等が代表的です。
医師の指導をしっかりと守り、手術当日はもちろん、1週間程度は安静にするようにしてください。
さらに患部の「圧迫不足」もペリカン変形の要因の一つと言われており、均一に包帯が巻かれていない、一部にのみ力が加わっている等の場合は注意しましょう。
ペリカン変形の対処法
ペリカン変形が傷口の腫れによって引き起った場合は、まず「安静」が第一です。
人によって症状は異なりますが、腫れが引くまでに3か月以上を要することもあります。
担当した医師にご相談の上、しばらくは安静にしつつ経過を見る形になることがほとんどでしょう。
なお、患部を温めることで血液の流れを良くする、湿らせておくといった方法もインターネットで目にしますが、クリニックによっては全く逆の指導をされることがあります。
インターネットの情報を過信し過ぎず、担当の医師の判断を仰ぐようにしてください。
3か月を経過しても腫れが引かない・ふくらみが治まらない場合は、ペリカン変形と診断される可能性が高く、場合によっては再手術(修正手術)が必要です。
再手術(修正手術)では「たるんだ包皮を切除する」「溜まったリンパ液を取り除く」等の措置がなされるのが一般的ですが、症状次第では切除が不要なケースもあります。
また、何かしらの症状が出ている場合は保険適用となる可能性がありますので、お近くの泌尿器科で一先ず問診を受けてみるのも一つの手です。
ご自身で判断するのは難しいため、無料相談や初回診断を活用し、適切なアドバイスをしてくれるクリニックを探してみてください。
トラブルの内訳
国民生活センターが発表したデータ(平成28年6月23日「美容医療サービスにみる包茎手術の問題点」)によりますと、トラブルが報告された74件の内、患部の腫れを訴えた方が13件、さらに引きつれを訴えた方が5件という結果になりました。
腫れはどうしても起こりやすいため一定は許容する必要がありますが、トラブルが起こった際にどのように対応すべきか、どのような施術を選ぶべきか、選んだ施術にはどのようなリスクが考えられるのか等についてはしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
納得ができないまま・不明点があるままでの施術は絶対に避け、必ず問題点や分からない点が100%クリアになってから施術を受けるようにしてください。
ツートンカラー
包茎手術を調べていると「ツートンカラー」という文字をよく目にするのではないでしょうか。
これは、文字通り“ペニスの色が2段階になってしまっている状態”の事を指します。
例えば仮性包茎又は真性包茎の方の場合、陰茎部の先から根本は下着に擦れている常態であるため、亀頭の根本と陰茎部の根元で包皮の色が異なるのが一般的です。
この「白い包皮の部分」と「黒い包皮の部分」をつなぎ合わせてしまうと、当然ですが不自然な白黒模様が生まれます。
この状態こそが、所謂ツートンカラーと呼ばれる状態です。
機能面では全く問題はないものの、見る人が見れば明らかに「包茎手術を受けたこと」が分かってしまいますし、単純に見た目も良くありません。
そのため、ツートンカラーは包茎手術を受ける人又は受けた人にとっては大きなリスクであると言えるのです。
ツートンカラーの原因
ツートンカラーは、それぞれ異なる色の包皮を繋ぎ合わせることで引き起こされます。
最もベーシックかつ安価で行える「環状切除法」の場合、陰茎の亀頭部と付け根部の包皮を残し、中央部分の包皮を切除します。
両者は最も白い箇所と黒い箇所になりますので、当然ツートンカラーになってしまう可能性が高まります。
ただし、普段皮が剥けているような軽微な仮性包茎の方の場合、亀頭下の包皮も比較的黒くなっているケースがあり、環状切開法でも自然な仕上がりとなりやすいです。
ツートンカラーの対処法
環状切開法が必ずしも要因とは限りませんが、他の方法に比べるとツートンカラーになるリスクは高いと考えます。
そのため、ツートンカラーのリスクを減らすのであれば、亀頭のすぐ下から切除する方式(亀頭直下切除法)や、付け根の包皮を切除する方式(根部切除法)を選択すると良いでしょう。
ただし、前述した通り環状切開法であっても包皮の状態によってはツートンカラーにならず、自然なカラーリングとなることもあります。
医師としっかりとご相談の上、ご予算とのバランスを見ながら最終的な決定をされるのがベターです。
機能障害・その他後遺症
包茎手術のトラブルとしては前述したペリカン変形とツートンカラーが多いのですが、まれに機能障害やその他の後遺症を引き起こすことがあります。
例えば、包皮を切りすぎてしまい勃起時に皮が突っ張ってしまう・傷口が膨れ上がる又は傷口が目立つなどです。
皮が突っ張ってしまう場合
皮が突っ張ってしまう要因としては「包皮を切りすぎてしまった」「傷口と亀頭又は陰茎部に癒着が起こっている」が考えられます。
後者の場合は、時間の経過を待つしかありません。
包皮だけではなく、人間の皮膚は伸びる性質を持っておりますので、術後は突っ張っていても時間が経過するごとに徐々に馴染んでいきます。
実際に、直後は突っ張りが気になったという男性の多くが1~2年程度経過すると気にならなくなったそうです。
ただし、切りすぎはあくまでもクリニック側のミスに他なりません。
時間はたっぷりありますので、カウンセリング・相談を重ね、心から信頼できる医師に執刀を依頼するようにしてください。
なお、包皮の癒着が原因で突っ張っている場合は、時間の経過によって自然に治癒するパターンがほとんどのようです。
気になる場合は、包茎手術をしたクリニックに相談し、アフターケアを受ける・指示を仰ぐ等でご対応いただければと思います。
傷口が腫れている場合
傷口が腫れてしまうのは、ペリカン変形と同様にリンパ液が分泌されるためです。
リンパ液が出るのは皮膚を修復するための反応ですので、基本的には放っておいて問題ありません。
ただし、手術から3か月程度経っても腫れが引かない場合はリンパ液が体内に溜まってしまっている可能性がありますので、一度医師の診断を受けるようにしてください。
傷口が目立つ場合
傷口が目立つ場合ですが、こちらは一概に手術ミスであるとは言い切れません。
クランプを用いた環状切除法や根部切除法の場合、どうしても陰茎部の中腹部にメスを入れる形になるためです。
さらに、傷口が完全に塞がっていない状態で激しい運動や性行為をしてしまうと、傷口が広がり白い帯のように残ってしまうケースもあります。
見た目に拘るのであれば、亀頭直下から切除する方式を選ぶ、1か月程度は安静を貫く等でご対応ください。